「マイネーム・イズ・ハーン」

これは突然のダンスシーンは出てこないパターンの作品。
おおまかな内容は「フォレスト・ガンプ」に沿っているような感じなわけだけど(実際に、DVDの宣伝にも「フォレスト・ガンプ」に続くって出てくる)差し込まれたひとつひとつのシーンの意味とつながりが出てきただけでぱっと頭に入ってきて、いちいち考えなくて済むので、目新しさはないにしても、素直に感動しながら見た。とにかく、ずーっと泣きっぱなし…。
宗教の問題、人種の問題、自閉症のこと、いろいろとデリケートで緊張を強いる問題を扱っているにもかかわらず、透徹した視点が心を解いて、気持ちを洗われた。
主演のシャー・ルク・カーンは文句なしの安定した存在感で、安心して見られるし、ヒロインのカージョルも「ザ・インド美人!」ではないと思うけど、気が強くて感情の起伏の激しい感じがよく似合っていてよかった。
せっかくなので、インド映画を応援しよう運動の一環として、DVDを購入しました。

「アルナーチャラム 踊るスーパースター」

TSUTAYA DISCASで漫画をレンタルしようと思って入会したら、DVDとCDが無料お試しキャンペーン中だった。
とりあえず漫画を読みたかったので、漫画のレンタルに進もうとしたら、無料お試しは入会のときに一度のみで「このまま手続を進めると無料お試しの権利は失われます」などという表示が出たので、それなら、と検索してみると、けっこうインド映画があったので、漫画は次回に回して、いくつか予約登録…。
で、一発目がラジニ兄貴です。
ここ最近見てきたインド(ヒンディー)映画は西洋化してきたというか、欧米風な作りになりつつあり、独特の風土の香り、つまりマサラ色が薄まってきて、あの爆発的に圧倒される感じを受けられず物足りない気分が続いていたところ、この作品は見始めてすぐに「コレ、コレ、コレーーーー!!」、次から次へと繰り出される音楽に乗って、心も体も踊る踊る。わたしも踊っております、映像も踊っております、ド・マサラ!な展開、体の中心にドカンと直接響く感じ、うーーん、いい!!
とはいえ全体の作品の出来としては中くらいかな。途中で中だるみしたし、話もいまヒトツだし、同じラジニ兄貴だったら「ムトゥ」の方が完成度が高いので、マサラ映画に馴染みのない人にも勧めやすいなー。
でも、馴染んでいるわたしとしては、きっと最後にはきっちりといろんなものが整合しつつ、ひっくり返って、幸せに終わるのは知っているので、それを楽しみにしつつ、中だるみの部分を乗り越えて…
案の定! ラストの、わはははは、悪さしてぼっこぼこにされていた従兄弟とか村の悪いヤツとか、なんじゃそりゃー、その顔はーー、笑いすぎやろーとつっこみつつ、みんながみんな、はじける笑顔で輪になって仲良くなっているのが、もーわたしにはツボ! 
これがあるからやめられません。久しぶりに、爽快! 楽しかった!!
けど、この躍動感はどーもお茶の間の風景と合わないので、やはり映画館で集中してみたいものだと、強く思ったことでした。
そういえば、日本語吹替えがついていて、ちょっとびっくり。こんなマイナーな作品でもつくの?? その割に先日買った「プロジェクトA」の吹替えは中途半端な感じでしかついてなかったけどなぁ…

「仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護」


平山郁夫氏は、いろいろと評価の分かれる方のようだけれども、わたしは若い時分にとても気に入っており、関西で見られるあらゆる展覧会に行った。
世間の毀誉褒貶のうちの悪いほうの評価について、言われてみたら思い当たるなぁと思い、今のわたしのアートに対する向かい方からすると、むしろ否定する方面の作家なのかなと思ったりするわけだけれども、まだ批判精神の育っていない頃に集中して観たので、理性の奥に染み込んでしまって、わたしにとってはいいとしか言えないのであった。
それで、わりと長い間、葛藤を回避するために遠ざけてきたような感じがあったのだけれども、もう一度、ちゃんと観たいとも思っていた。
何年か前に、竹橋の近代美術館で大きな展覧会があった時は結局、行き損ねた。
亡くなった時に、回顧展があるかなと思っていたが、目立ったところではなかったので「あれ?」と思った。
で、今回、やっと行ったわけですが「文化財保護」というテーマと抱き合わせでないと展覧会が成立しないのかなぁとちょっと意外に思ったりするわけなのだった。わたしとしてはガンダーラの仏像なども一緒に観られるのはうれしいのですが。
で、今観ても、昔ほどの激しさはないにしても、やはり染みるかなぁ…。なにはともあれ、一本の線を描く一瞬に全存在を賭けることを行った人だと、わたしは改めて思った。
今も昔も、画面に漂うぼんやりとした空気感がわたしにはとてもリアルに感じられ、作品の前に立つと、絵の中に自分も居るような気分になるのが、好きな理由。
また、被爆体験による体調不良、死の瀬戸際で、それを画業に対する情熱と精神力で乗り越えたというエピソードに、当時強く感じていた存在の不安定さを、生きる意志で乗り越える人が実際にいるという事実に希望を見た、という個人的体験と結びついているため、良くも悪くも、自分のアルバムの中の思い出の写真を見るような、評価や批評とは離れたところにあるなぁと思う。
今日は時間の余裕があったので、リニューアルした本館でめぼしいものをざっと鑑賞。

舟橋蒔絵硯箱のこんもりとした形がとってもイカシてましたー。

「山口晃展《東京旅ノ介》」銀座三越

11月にミヅマアートギャラリーであった展覧会には行きそびれたけれども(けっこう長いことやってたのに)今回はなんとかすべりこみセーフ!
今日は12:00からトークショーがあり、ぜひとも行きたかったが、外せない所用のため断念。
でも14:00過ぎに会場に着いたところ、ちょうどサイン会が始まっていて入り口にご本人を発見! むふーん。今更買う書籍もないのでサインは頂きませんでしたが…。
展覧会の内容は、絵の他に、写真とエッセイ、落書きっぽい案内イラストなど、随所に遊び心満載で楽しかった。会場全体に山口さんの表現と心遣いが行き届いている。
人出が多く、人気者なんだなーと改めて思った。
売店で山口さんが水木しげるについて語っている記事が載った雑誌(季刊プリンツ21 2010秋)がおもしろかったので購入。

今日のティータイム
最近はあまり来ない銀座なので、時間が忙しなかったが、ハーゲンダッツ・ラ・メゾン・ギンザへ。前回「ゲゲゲ展」に来たときに保留にしたメニュー「リッチミルクアイスクリーム 白桃のコンポートとフレッシュアボカド添え」を。

しかし、うーむ、期待したほどでもなかった…。

正月早々、実家に帰省した途端、風邪が悪化、とっても久しぶりに発熱してダウン。
友達との約束もキャンセルして、ひたすら寝正月…。何年ぶりだろう。お風呂に入らないで布団に入ったのは…。
結局、なーんにもせずに帰宅。
唯一の収穫は久しぶりに「難波金融伝 ミナミの帝王」を見たことかなー。関西だと休みのときは必ずTVでやってるからね、毎日、新聞をチェック、チェック!! 
でも前は昼間にやってたのになー、今回は夜中でした。地デジ化で実家でもデジタル化が進んで、VHSからHDD化されたので簡単に録画して、昼間に見ましたけどもね…。

「トロン・レガシー」

前作の「トロン」が夫の思い出の作品だそうで、誘われた。せっかくの3DなのでIMAXでと、再び、浦和まで出かけることに。
わたしは今となっては、レディースデイにしか映画に行かないので、久しぶりに前売り券を見た…(夫が、10月に発売早々、はりきって入手)。

しかーし! 前売り券だとネットで座席を予約できーん! 不便だ。しかもIMAXだと前売り料金もなくなってしまうし、何にもいいことなし…(くまちゃんのストラップはもらったけどな)。
ちょっと早めに窓口に行って、席を確保。けっこういい席が取れた。公開10日目で、この客の入り、大丈夫か「トロン」?? あるいは浦和だから??
窓口で座席票を見るとお勧めの席は真ん中あたりになっていた。ハリポタの時は、後ろにしたので、少々迫力に欠けたのかなー。
3DだとやはりIMAXがいいかな。内容は…まぁあまり出来のよくないハリウッド映画って感じ? 
それほど期待していなかったせいもあって、とくにつまらん!と立腹するほどでもなかったけど、思っていたほどもおもしろくはなかった…。
せっかく作るなら、もう少しは作り込んでもいいんじゃなかろうかと思いました。B級のパワーとかもないしねぇ。作りが荒いというのではなく、あっさりしすぎている。もともとそれほどやる気もないのかもしれないけど。
映像も、前宣伝にしてはそれほどでもないのねぇ。きれいはきれいなんだけど。ところどころおおーっと見惚れるシーンもないことはないんだけども。
まぁわたしが「金返せ!」と思わなかったのは、夫とお出かけ、というイベント気分にだいぶ助けられておるかもしれません。ひとりで映画だけだったら、もっとガッカリしてたかもな(ひとりだったら行ってないけど…)。
それにしても音が大きすぎる! それがいいとの意見もアリなんだろうけど、わたしにはかなり苦痛だった。そして帰り道に寒いところに出たとたん、わーっと耳が遠くなって(耳栓もしてたのに…)、とってもナーバスになった。幸いに夜には治ったけども、一緒に行った夫も音響が苦痛だったみたいだし、もうちょっとなんとかならないかな…。