「ラーヴァン」東京国際映画祭

東京国際映画祭で上映されたインド映画です。
うーん。やはり、マニ・ラトナム監督はわたしにはイマイチ…。
たぶん、彼が表そうとしていることを、現すという点においては完成度が高いんだろうなと思うけど、その現れるものが、わたしが見たい次元のものとは違うという意味で、わたしはあまり感動しないと思われる(うう…、我ながらまわりくどい…)
マサラ映画の手法を取り入れつつ、でもその手法に対して愛や確信を感じないのがイマイチなんだよなー。この人の場合、徹底的に文芸作品の路線で作った方が、この人の「確信」を直に取り出せるんじゃないのかなーと常々思っている。そこが潔くないというかなんとういか。みんなが望むから歌も踊りも入れてはみるけど、という中途半端な入れ方だったら歌も踊りもない方がいいもーん。マサラ映画の歌や踊りの、ストーリーの流れからいえば唐突な出現は、別の、なんだろう、エネルギーの流れ、みたいなもの? に沿ってちゃんと意味があり、それがマサラ映画のパワーとカタルシスの源だと思うので。そしてその表現をわたしはふかーーーく愛しているのでー。
監督が確信していない分、全体的にも浅く感じてしまう…。扱う題材はすっごくイイ!のにー。見ているわたしはこじ開けられることがなく、状況や心情が流れ込んでこないー。もったいない。出演者たちはすっごく熱演!にもかかわらず。
で、出演者の話に。
アビシェーク・バッチャン むふーん。わたくしが大好きなアミターブの息子さん。初めて見ました。彼は彼でしっかりと存在感があって、いい役者さんだと思いつつ、ついつい(本人はイヤだろうけど)「わーやっぱりお父さんと似てるなー、目元とか口元とか、あと遠目で見たときの、手足が長くてもてあまし気味な感じとかー」と楽しんでいたことでした。あと低音ボイスがすっごく似てる。時々、ドキッとしましたり。
アイシュワリヤー・ラーイも、まぁ「お人形みたい」という表現がこれほどピッタリの人がいるでしょうか、と常々思っていたけど、やっぱり、見るだけで「至福」って感じで楽しかったわー。
このふたりを存分に見られただけでも、行った甲斐はあったので、よしとするか…。