「妖怪大戦争」

今住んでいるところには半径車で一時間以内に映画館がないのだけれども、月に一度か二度、文化会館で上映会がある。しばらく会館がアスベスト問題で閉鎖されていたので、その間何ヶ月かなかったが、今月に入って復活した。
夏にロードショウで見損ねた「妖怪大戦争」をやるというので、観にいったのだけれども、この作品はど〜なんだろう、微妙…な感想。もっと弾けてスッキリ爽快になるかと期待していた、つまりはインド映画のような、バカバカしくもつっこみどころ満載なんだけど、突き抜けているので降参して楽しんで、笑ったり時にはしんみりしたりしながら、最後には幸せになるみたいなのを期待していたんだけど、いまひとつ乗り切れなかった。ところどころそれなりにおもしろかったし、出演者が多彩なのでそれは楽しんだんだけど。予想外に清志郎氏の出番が多いし台詞も長かったのが楽しかった。アギ役の栗山千明さんはわたしが気に入っている長くてまっすぐな黒髪が見られらなかったのが少々残念な…。川太郎が誰なのかが観ている間中気になって気になって、それを確認するためだけにパンフを買ったりして。「宮部先生」はすぐにわかったけど「妖怪京極」と「妖怪荒俣」はパンフで確認するまで全くわかりませんでした。「ホームレス大沢」がわからなかったのがちょっと悔しい。会場には地元の子どもたちが多く来ていたんだけれども、彼らが大爆笑だったのは「豆腐小僧ホトちゃん」だった。顔がもろにワカルからだと思われます。「小豆小僧」になると誰がやっているのか気付いていなさそう。「ぬらりひょん」あたりは誰もいっしょに笑ってくれませんでした。
すねこすりがいかにもぬいぐりみなのはあれはワザとなのかなぁ。いまどきの技術だったらもっとリアルに映せるのではと思うんだけど、あえて、特撮風なのかな? わたしの好みだともう少しリアルだと「か、かわいい〜〜!!」という気分になったと思うのだけれども、ぬいぐるみがぎこちなく動いているのがどうも気になって興が冷めた(そんな人はこの作品を観るなと言われたら少々哀しいですが)。
「豊川加藤」はつい「島田加藤」と比べてしまうと「加藤はあっちや〜」となってしまうわけですが、それでも物語を阻害するほどには気にならなかった。アギの「加藤さまとひとつに…(うっとり)」という台詞はむしろこっちの加藤のほうが合うだろうしなー。
神木くんはもう文句なく。しかし着替えシーンのあの背中。あんまり白くてなめらかで、ぼけっと見ていたら「なんでここで川姫の裸体が…?」と勘違いしてしまいました。ははは。
初めて行った文化会館での上映は、シネコンに慣れた身としては音響も悪いし椅子も狭くて座り心地が悪いし「ドリンクホルダーがナイ…」とか益体もない文句をつぶやきつつ、学生の頃、マイナーな映画ばかり見ていた頃の映画館を思い出して懐かしく楽しんだりもしたのでありました。しかしカビ臭いのはまいった。しばらく閉めていたからかな? 空調の使い始めだからかな? あれはちょっとなんとかしてほしいもんだ。