「魔法使いハウルと火の悪魔」

冒頭から「長女は出世しない」とか言われてなんじゃそりゃと思う。この現実にはない、作品の世界独自のルールがなんの説明もなくあたりまえのように出てくることに違和感を覚えるわたしは「ファンタジー者」ではないのだなぁと痛感した(こんな言葉はありますか?「SF者」を応用してみたんだけど。そしてSF「もの」の漢字表記もこれでよかったっけか?)。振り返ってみると確かにわたしの読書暦に生粋のファンタジーってほとんどないのねぇ。そして少ない愛読しているファンタジー(というか異世界もの?)が「ハリー・ポッター」と「十二国記」。つまりどちらもこの世界から話が始まって主人公が異世界へ迷い込んで右往左往するところでわたしも一緒に異世界に入ることが出来るという構成の作品だった。
そんな話はさておき。初めの違和感は読み進めるうちに乗り越えた。魅力的な人物に囲まれて最後まで作品世界を楽しんだ。原作はあれこれといろいろな要素が絡み合ってきちんと整合性をもって収拾するよく出来た話だった。う〜ん、このまま素直に映像化したらあかんかったのかなぁ…。少なくとも大筋についてはさ。ハウルとソフィーが街で会うシーンなんかは映画の方がいい感じに膨らんでいてよかったけどな、そういう映像ならではの膨らませ方もしつつ、でも大筋は原作のままでよかったのでは…。うむ〜。