「天空の城ラピュタ」

全てについてよく出来た作品で、楽しんだし心に染みた。でも体の中心の骨がグラグラとくるような感動というのはなかった。サラッと通り過ぎることが出来てしまう。歪みがなく美しく健全な魂の発露はわたしを誘わないのね〜としみじみします。その上主人公が小さな少年であるから恋のモヤモヤも発生しないんだすよ(ヨコシマナ見方ですんません)。
観ていていいなと思ったのは「ママ」、主人公ふたりの声、その他の人も声、空を飛ぶ感じ(これはこの作品の魅力としてあたりまえとして)、ラピュタの自然と突然現れるSFな機械的な感じ、置き去られたロボットがいない主人(マスター)を未だ忠実に守るというシチュエーション、そして音楽。音楽は文句なく良かった。作品に思い入れがなくても聞くだけで多分泣く。それは宮崎作品のどれについてもそうなんだけど。
また観る機会があれば気持ちよさに惹かれてきっと観るだろうけど、折に触れて思い出して味わったり考えたりするための引っ掛かりを残さない作品だった。