マティス展

会期終了ギリギリ、なんとか間に合って、マティス展を観た。
ところどころ、これはいい、という存在感を示す場面を持つ作品もあったが、多くは画家が過程を楽しんだり試したりした後に未完で残したものである（それをまわりが作品としてありがたがっているだけ）という感じがして、一枚の画布にこの世界の一端を完璧にあらわそうと命がけでもがいているみたいな作風が好きなわたしとしては、少々物足りなかった。
作品はそんな感じで、絵の前に佇んでしばしうっとりみたいなことはなかったが、同じ主題でいくつかの作品を描いてみたり、描いた作品と写真を並べてみたり、切り絵をしてみたり、そういうマティスの創作に対する試行錯誤を追うことは興味深かった。特に、絵を描くマティスの姿を映したフィルムにはしばし見入っていた。