「アバター 3D IMAXシアター」

遠路はるばる(まさにはるばる)埼玉県は菖蒲町まで、「アバター 3D」をIMAXシアターに見に行ってきた。

「菖蒲? それ、どこ??」という疑問から始まったIMAXにいたる道のりは、でも、ムダではなかったなー。IMAXの場合「観るのではない。そこにいるのだ」というコピーは伊達ではありませんでした。
3D映画の上映方式に何種類もあると知らなかったので、始めは、近所の映画館の普通のスクリーンの3Dで見た。
その時は、「ふーん、3Dっていってもこんなもん」という感想にしかならなかった。確かに、映像が立体的に見える。でも、それだけ。しかも、奥行きはあるけど、あまり飛び出してこないので、アトラクション的なものを想像していたわたしとしては、少々拍子抜け。まして「そこにいるのだ」というような現実感はなかった。
むしろ、映画鑑賞ということでいえば、3Dであることの珍しさが(それを楽しむアトラクションとは違い)作品世界に入るのに邪魔になるとすら感じたし、3Dグラスの分、発色が落ちる(画面が暗くなる)ような気がして、それもマイナスな気分に。
で、結論。架空に表現される世界のリアルとは感覚を超えて現れるものだから、以後、3Dにこだわることもないのかも。その時はそう思った。
しかーし。その後、何の気なしにネットで検索していたら、3Dにはいくつかの上映方式があることが判明。わたしが見たワーナーマイカルシネマズはRealDで、そういえば、先に見た友達に「3Dグラス、持って帰った?」と聞いたら、「持ち帰れるようなものじゃなかった」と言われて「???」となった覚えがあったけど、彼女はメガネが重くて困ったとも言っていたので、たぶん、XpanDだったんだろう・・・。
で。IMAXです。そういうものがふつうの映画上映でもあるということを、今回、初めて知った。ふつうの3Dと、そのリアルさ加減がぜんっぜん、違うらしい。
・・・そういわれると、気になる! 「アバター」という作品自体をとても気に入ったので、どうせなら、あの世界をリアルに体験してみたいという欲望は膨れるばかりなのであった。
引き続きネットで検索。現在、日本にIMAXシアターは4ヵ所しかなく、そのうち2ヵ所が関東に。109シネマズ川崎と109シネマズ菖蒲。「??菖蒲ってどこ?てか、都内にはないんか?」つっこみつつ、どちらもうちからだと最寄駅まで1時間ぐらい。でも川崎は駅直結だけど菖蒲(埼玉県らしい)は駅からさらにバスに乗らないといけないらしいので、まずは川崎に行こうかなーと計画。でも以下の理由で最終的には菖蒲に決定。

  • 川崎は座席が見にくい構造になっているらしい。とくに前の人の頭が邪魔になるという話が多く、背が低いわたしにとっては致命的。その点、菖蒲はかなり段差があって、まったく邪魔になることはなかった。
  • 菖蒲のほうが辺鄙な分空いているのでしょう席がとり易い。川崎は発売と同時にログインしようとして、延々、一時間くらいつながらないときもあった。で、やっとつながったと思っても、途中で「時間切れ」画面になって、決済まで行き着けないし・・・。
  • 川崎は3Dは吹替え版の上映が朝一番しかなかった。映画は字幕で見る派だけど、こと3Dに関しては、吹替えのほうがいいと思う。

そんなこんなで、発売と同時に一般席の中ではいちばんいい席を取った(と思う)。プレミアムシートの前列のド真ん中。ホントはプレミアムシートに座りたいところだけど、会員でないとネットで予約できないみたい。
そして迎えた当日。109シネマズ菖蒲のシアター11、場内に入って一番に思ったのはスクリーンの大きさについて。「こんなもん??」 意外と小さい(なんとなく万博なんかのドームシアターのイメージを引きずっていたもので)。
でも映画が始まった瞬間の心の叫び 「うおーーー。ぜんぜん違う・・・」 
宇宙空間を見ると体が浮いてる感じがする・・・。まさのアトラクション並みに体が搖れる感覚が。立体感がどうのこうのというのは頭になく。ふつうの3Dだとあくまでも映像が立体的に見えている、という認識なんだけど、IMAXの場合「立体的に見える」を過ぎている。つまり、現実にものを見るときに、それがいちいち立体的に見えるとは思わないというのと同じ感覚でみているわけですね。
まさに「そこにいる」よ・・・。目の前のものの質感がリアルでドキドキする。触ってはいないけれども、触感を脳が認識する。特にCGで表されるナヴィたちの肌や筋肉の質感。惑星パンドラの動植物の存在感。小さな羽虫が飛び交う惑星の空気まで感じる。カメラに映る人間の映像よりもCG映像のほうにより質感を感じるのはデジタル処理だからなのかな。
IMAXというとスクリーンの大きさが言われるけど、サイズの大きさによる情報量にもまして画面の精度が(きっと)高いことにより、実在感が現れるんだろうな、と思った。詳しいことは良く知らんけど。
とはいえ、見終わった今、今後、もうIMAXでしか見られない!というほどの強い執着は感じなかったのはなぜかしら。繰り返し思い返して味わってしまうあわーい執着はあるにはあるけれども…。結局、わたしが架空の作品に求めるものがそういう意味でのリアルではないということかと思う。物語に入ることでこじあけられるように出現する実存感。それは映像がリアルだということとは別の局面にある。そしてわたしに親しいのはその別の局面なのだ。「アバター」に関してはその点でも優れた表現だと思うので、わたしはこの作品をとても気に入ったのですけれども。



今日の晩御飯 (109シネマズ菖蒲があるモラージュ菖蒲のフードコートにて)

神戸の長田の店らしい。屋台っぽい薄い皮がパリッとしたお好み焼き。中はふわっとしている。なぜか長崎カステラアイス。薄いカステラの間にバニラアイスが挟まってます(抹茶もある)。どちらも美味でした。