「G tokyo 2010」 森アーツセンターギャラリー

森アーツセンターギャラリーで開催中(今日と明日)のアートフェア「G tokyo 2010」に行った。
もともとコンテンポラリーアートにあまり興味がなかったせいもあって、アート作品を所有するということを考えた事がなかったが、一年ほど前に小山登美夫さんの「その絵、いくら?」という本を読んで、作品に値段が付くという事実に興味がわいて、以来、通りがかりにギャラリーやデパートのアートコーナーをのぞいたりしているので、一度行ってみたかったアートフェア、普段行っている展覧会とは違う雰囲気が刺激的で楽しかった・・・のだけれども、どうも「買う」という行為とアートを結び付けようとすると、もやもやした感情が湧き出でるのを止められないわたしなのであった・・・。
いや、そこに、わたしがアートに見出しているものとは違う価値や意義が存在することはわかる、わかるんだけれども。というよりも単なる持てない僻みのもやもやともいえるんだけれども。
ま、それはさておき。
今回のフェアに行ったのはお目当の作家さんがいたからで、それは山口晃さんであります。大好きです。もちろん作品が好きです。加えてご本人の佇まいがまた好きなのです。
そんなわたしが出品ギャラリー(ミヅマアートギャラリー)のブースに着いたら・・・。
ご、ご本人が! 
ものすごくどきどきしました。汗だくになりました。遠目に見て帰ってきました(話しかけるなんてできません!)。佇まいが控えめーなムードなのにバーミリオンのシャツがよくお似合いなところがひとクセあって、やっぱり好みでした。
机の上の値段表を見てたら、全部売約済みのシール付きだったな・・・。ご本人を前に興奮していたので山口さんの作品だったら頑張って買いたい、と思ったり、でもたとえ買えたとしても自分の日常の中で保管することがやっぱり重荷だったりするわけで、そんなわたしには図録や作品集がせいぜい、でも印刷物だったらいくらでも買ったるわーとありったけ大人買いしてきたわけであります。
やっぱり去年の大山崎山荘の展覧会に行けばよかったな・・・(とりあえず本日、図録は手に入れた)
山口さん以外ではSCAI THE BATHHOUSE というギャラリーの作品が全体的におもしろく、特に藤井秀全さんの作品が気に入った。光を用いた画面が、パニックになったとき、あるいは神的なものが目の前に現れるときの視覚のイメージにぴったり重なって、そのぴったり具合に気分が高揚した。
しかしああいう表現は、会場での一期一会だから惹かれるけど、自分の家に持ち込む気にはならないし、うーん、あれを気に入ったからといって「買う」ということはあるのだろうか…。あ、美術館とかが買うのかな。