メイド喫茶に行ってきた

夫が行きたいというのでメイド喫茶に行ってきました。わたしはあまり気が進まなかったのだけれども。というのも、夫はオタク的気質ではないどころか「架空の人物に恋をする」という状態も全く理解できないという人なので、場違いな人間が荒らしに行くようなことはヤだなぁと(あとエロ系の雰囲気が強かったらいたたまれないしなぁという危惧もあったり)。
そんな夫がなぜメイド喫茶かというと、話題になっているので興味を持ったらしい。そして自分が興味を持ったが最後、それを満たさないと決して気がすまないのが彼なのであった。だからって何で夫婦でいかにゃ〜ならんのだ?なんだけれども、一緒に行く予定だった友達の都合が悪くなったらしい。さすがにひとりで行く気にはならないらしく、しつこく誘われて、わたしも興味がないわけではないので行くことに。ちなみにわたしの興味は正当なもので「エマ」の世界を体験できたらいいなぁ…という妄想爆発なのであった。
結果から言うと、店の選択を誤ったらしく想像していた「メイド喫茶」の楽しさを味わうことが出来なかったという残念な結果に。でもとりあえず、日曜日、秋葉原の午後をレポートすることにいたします。
店はイマイチだったので店名は伏せるとして、夫がネットで検索して見つけた。ここをまず探し出すのが一苦労で。サイトで地図をプリントアウトしてきたにもかかわらず、まったく見つからない。夫がネットで見たところによると秋葉原に行けばメイド喫茶がいっぱいあるハズだと言うけれども、目的の店どころか目に付くところにメイド喫茶らしきものは一軒もなく。「おかしいな〜おかしいな〜」と言いながら同じところをぐるぐる回り、最終的には住所表示を頼りにやっと店の看板を見つけた。ビルの二階。ドキドキしながら扉を開ける。「いらっしゃいませ〜」??「おかえりなさいませ」じゃないのか?(ちょっとフマン)。店内は明るくカジュアルな雰囲気でよく見ると女性客もいる。とりあえずいたたまれない雰囲気ではなく安心する。
「一般席でよろしいですか?」と問われるが意味が解からず。「手前がスクール席、奥が一般席になります」言われて見ると店の半分は黒板があって机も学校仕様になっている。そういう趣味の人がいるのはわかるのでほほーと感心しつつわたしたちは一般席へ。ちょうど昼時だったので食事を頼んだ。
店員さんはみんないちおうメイド服なんだけど、アニメ仕様とでもいいましょうか、ミニスカート姿なのが「エマ」の世界を楽しみたい女性のわたしにはフマン。わたしの求め方が間違っているのかもしれないけれどもフマン。着こなしももうちょっとエプロンのリボンをピシッと締めんかい!と言いたくなる。態度も跪いてオーダーを取ったりしてくれるけど、サーヴする所作が手馴れていないのがイマイチ。言葉遣いも普通だし。だいたい、なんで「いらっしゃいませ〜」に「ありがとうございました〜」なんだろう? せめて「おかえりなさいませ」と「気をつけていってらっしゃいませ」ぐらいは言うてくれ。あとメイドさんたち、私語が多くて姦しすぎる。ご主人様の前であの態度はメイドとしてどうかと…。って、ウルさく言いすぎですか?
「これやったらファミレスでミニスカートの制服のとこあるやん*1、あそこの方がよっぽどそれらしくて気分ええわ」とわたし。夫が「学園祭みたいやなぁ」なるほど〜。それは言えてるかも。確かにお遊びなんだから高いレベルのサービスを求めてもしようがないと思うけど、サービスがぎこちなくてもメイドさんたちにも「わたしはメイド」という思い込みがあり、それらしい振る舞いがあれば結構楽しめると思うのだけれども、妄想するのは客のほうだけなのかなぁ。妄想の共同体だから楽しいのでは…? 少なくともこの店の店員にはあまりそういう雰囲気はなかったのでわたしにはツマラナカッタ。
「ありがとうございました〜」の声に見送られ、不満顔のわたし。夫もイマイチだったらしく、ふたりでもう一軒行こう!と探し始める。が、みつからないので途中、アキハバラデパートの本屋で秋葉原ガイドを立ち読みしたり。それに載っている案内図にはわたしたちがウロウロしていた周辺に山ほどメイド喫茶マークが付いているのだけれども…。「この本買う?」というわたしに「そこまでせんでええ」と夫。とりあえず地図を頭の中に入れて再びウロウロ。ふと見上げたビルの二階の窓がレースのカーテンが下がっていてどうもそれらしい雰囲気。「あそこ、どうやろ?」とビルの入り口を見ると行列が。「混んでそうやし、他行こ」と避けて、本で見た店を目指す。そこは大通りに面した店なんだけど、ここがまた輪をかけて行列。人気店だったらちゃんとメイド喫茶を味わえるかもという期待があったので一瞬並ぼうか思ったが、どうも行列にいるわたしたち夫婦(いい年してます)というのを思い浮かべるにあまりいい気分ではなかったので、やめた。この店、店頭にエマのポスターがあったのといっしょに飾ってあったコスチュームがロングのメイド服だったので、もしやわたしの求める場所かも?とかなり気持ちがひかれたが、あんまり行列が長かったもんで…。二階が入り口なのに大通りまではみ出してたしな…。
その後、先に通りかかった店の行列がなくなっていたので試しに入ってみた。「おかえりなさいませ」とちゃんと言ってもらえたのがうれしかったが、行列がなくなっていたのは名前を知らせて出て行ったからで、順番表には名前がたくさん並んでいたのであきらめて出た。「いってらっしゃいませ、お帰りをお待ちしております」と見送られると「ほわん」となるな〜。
ウロウロしていると、街中にはメイドさんがけっこう居るのな。電気屋の客引きだったりするんだけれども。あとメイド喫茶のチラシ配っているメイドさんとか。その店は遠かったので行かなかったのだけれども。そこは時間制だった。
「駄菓子食べ放題」って書いてある店があったので「メイドさんなのに食べ放題だったらサーヴしてもらえへんやんか」と不満言いつつ念のため店の前まで行ってみたら店員がメイドの格好した漫画喫茶風の店だったり。流行だからってなんでもいいわけじゃない…。他に見かけた店はカウンター形式の小さな店で雰囲気が濃そうでとても入れませんでした。メイドさんのマッサージの店も見つけたけど、素人にマッサージされてもなーとついサービスの内容に目が行ってしまうヤル気のないメイドフェチであった。
そんなこんなで、結局初めの一軒しか行くこと叶わず。成果がイマイチで不満だったがあきらめた。しかしどうなんだろう。わたしが秋葉原メイド喫茶に求めるものは間違ってますか? 例えるなら祇園の接客のメイド版をわたしは求めているようだ(自己分析すると)。浮世とは離れた世界を客と店側が作り出してその場を楽しむ手段としてのメイドフェチ。店員もなり切って、それなりのサーヴをしてもらえたら夢のような時間を過ごせるだろうなぁと思うんだけど。わたしが行った店は「おかえりなさいませ」もなくて論外だとしても、他の店もそんなにレベルが高くないのかな? 行く人は店員がメイドの格好をしているだけで満足できる? そのメイド姿も「エマ」を求めるのはおかしいのかしらん? わたしは本格的なメイドさんにはその仕事のプロ根性的なところや規律がハッキリしていて禁欲的なところに「萌え」なんだけど、それを秋葉原に求めるのは間違っているのかな? ジャンルが違う?? まーわたしにはこんなもんです。
振り返ってみると秋葉原に行くのが初めてだった。メイド喫茶を抜きにしてもおのぼりさんとして半日ウロウロして楽しかった。道端で1500円とかいうよくわからない値段でパソコンを売っていたり(もちろん中古)、路地みたいなところに小さな店がひしめき合ってわけがわからない細かい電器の部品が売っていたりともの珍しい。それを売っているおじさんおばさんがまた濃い雰囲気で。意外と古本屋は少ないのなー。まんだらけは行かなかったけど、古本市場には入ってみたが、場所柄期待したほど掘り出し物はなかった。
というわけで、成果はなかったけれどもそれなりに楽しい半日でした。

*1:あとで思い出した。アンナミラーズだった