ウェッジウッド

お友達が結婚したのでお祝いにウェッジウッドカップを贈った。いろいろと希望を聞いて結局はオーソドックスにティーカップ&ソーサーを2客、余った予算でスープ皿を2枚。シリーズは「インディア」で。予算があるのであまり上のクラスのシリーズはムリだけど、ワイルドストロベリーじゃありきたりだし、よくスーパーでも安売りしているしと思い、それにワイルドストロベリーシリーズはわたしが、じっくりと見るといいと思うし嫌いではないのだけれども、身悶えするほど好きだ〜!と思わないので、別のシリーズで、と思い、いろいろと探して「インディア」に落ち着いた。赤味がかった黄色が華やかかつ優しい印象で、縁を濃い色の模様で線取りしているのがアクセントとして効いている。名前が「インディア」というのもちょっと決めてだったり。贈る相手もインドに少々関わりがある人なもので。カップの形はわたしは紅茶専用の形のカップ(「ピオニー」と言うらしいですね。今回始めて知った)をいたく気に入っているのだけれども、贈る相手がこの手のカップをたくさん持っているという人ではなかったので、そこは紅茶にもコーヒーにも使える形のほうがよいだろうと思い「リー」にした。「リー」もシンプルでステキなんだけれども、わたしがあれこれとこだわって飲むのが紅茶であり、その場合「ピオニー」は最高の形だと思っている(というほどあれこれ知っているのかと問われるとそんなにコレクションしていたりするわけではない)。
「ピオニー」の取っ手を指でつかむ。微妙に反り上がったこの形のつかみ易いこと! そして口元に持っていくとカップの縁のカーブが唇に吸い付き、紅茶を飲むと言う行為に指先から口元、前かがみの姿勢まで全てが収まる!と思われ、至上の快感なのであります。(オオゲサデス。でもわたしにはそうなのよ…)
ウェッジウッドにはいろんな意味で思い入れがある。なによりも、食器を芸術作品のようにうつくしいと思ったり、そこから快楽を得たりということがあるという体験の初めての出会い、であったから、初恋の人は忘れられないの、という状態であるのと、その上、かつてピーターラビットシリーズがウェッジウッドから出ていたからピーター大好きなわたしにはその絵が描かれているだけでもうれしいのに、さらにそれが極上の製品ときた日にゃ〜。
実はわたしは物をきちんと持つのが苦手なので、特に壊れやすい陶磁器類をコレクションするなんて出来ない性質なんですが、ウェッジウッドのピーターのシリーズはガサツなわたしにも使い勝手がよくて、いろいろとそろえている。それで、去年、カップ&ソーサーを1客割ってしまったので、デパートへ行くたびに見て回ってもみつからないので、あれ〜?と思っていて、今回、お祝いを探している時に聞いてみたら「廃盤になりました」と言われ、シリーズが廃盤になるなんて、実はよく知らなかったのでとてもショックを受けた。その後ネットで検索したりして、ピーターに限らず、廃盤になるのは普通の出来事だということがわかったんだけど、なんだか納得がいかないのでありました。ピーターを描いた陶器は他の会社からも出ているけれども、やはり、絵が描かれているだけではなく、カップそのものが極上の品だったからこんなに愛着があるのだと改めて思った。
「ピーター」のシリーズのカップ&ソーサーは他のシリーズにない独自の形なんだけど(「リー」に似ているがもっとぶ厚い)、これがまたなんとも微妙なバランスで手に収まり、また表面の滑らかなツヤを見るにつけ、背中が文字通りゾクゾクする。マグカップなんかも、簡単な作りなんだけど、バランスが良いのでしょうね、手に収まる感じがそこらへんのものとは違うと感じるのであります。
世界は広いので、他のブランドなり何なりでも、いいものはたくさんあるのだろうけど、わたしにはウェッジウッドが後にも先にもいちばん!なのでした。いつか、引っ越さなくてすむようになったら、いちばん気に入ったシリーズのカップ&ソーサーを1客なり2客なり、買って飾りつつ使いたいと思っているけれど、いつになったらそんな日が来るのやら…。