「ポリス・ストーリー」

風邪を引いて倒れている間にテレビ東京の昼の映画の時間に80年代のジャッキー作品4連発の前半を見損ねて悔しい〜であった。ちょうど「カンフーハッスル」に刺激されて「久しぶりに「プロジェクトA」を観返したいな〜」と思っていた矢先だったのにな〜。普段だったら見ても見なくてもあの時間はテレ東を付けっぱなしなのに…。月、火と完全に寝込み、水曜日は熱で朦朧としながらも何気なくTVを付けたら「サイクロンZ」をやっていて、次の日が「ポリス・ストーリー」だというから「も、もしや…??」と新聞を引っ張り出して確認したら予想通りこの週はジャッキー特集、それなら当然A計画から始まるよな、ってわけで、見損ねたのだった。とりあえず「ポリス・ストーリー」も新作ロードショーを前に観直したいと思っていたので、これは観た。
「ポリス・ストーリー」、今観直すと、記憶していた以上に傑作なんだなと思った。わたしは基本的にジャッキー作品の中ではA計画シリーズの方が陽性な感じが好きなんだけど、ジャッキー本人は自分の作品の中では「ポリスストーリー」が最高傑作と評していると聞いて、内心おもしろくなかった。でも今観直すとそう言うのもわかると納得した。アクションの表現が、芸術として高い位置に在る。
今観ると、肉弾戦が地味なのね。もちろんワイヤーアクションとかないし。でもそのひたすら肉相打つ地味な戦いに目がひきつけられて離れない。そして実際の格闘技と違って動きがわかりやすいのは常に「見せる」ことを念頭に置いて動きを作っているからだと思うんだけど、だからといって戦いの迫力は損なわないように、そこらへんのバランスの絶妙な按配が、彼がカンフーの使い手でありかつ映画スターであるという二面性を同時に極めた末に到達した形で、そしてこの作品でその形を最高にうまく表出することが出来たという意味で最高傑作なんだろうなと納得した。
この作品には他にも車を使った派手なシーンなどもあり、それはそれで楽しめるけど、わたしが今回心を打たれたのはひたすらな肉弾戦だった。余談デスガ、この映画が撮影された80年代後半はわたしが香港映画にどっぷりとはまっていた時期で、それが高じて香港に行ったりして、その時にあのラストのアクションシーンを撮影したデパートも見に行った(今でもあるんでしょうか?)。映画の中でジャッキーが滑り降りる吹き抜けの電飾がついたポールを写真に撮ったりしたよ。
新作も観に行かねばー。しかしわたしは今後一ヶ月ぐらいの間、ものすごく!忙しいのです。うう…。