「お堂で見る阿修羅」

(日は隔たっていますが、阿修羅の話題が続きます)
タイミングよく京都に帰省する用事があったので、奈良興福寺で開催中の「お堂で見る阿修羅」に行ってきました。仮金堂のご本尊釈迦如来像の前に、阿修羅像以下、八部衆十大弟子像が一同に並んでいます。その後、普段、阿修羅像が收められている国宝館にも行きましたが、ここでガラスケースに収まっているよりも、お堂にあるほうがいい!とつくづく思いました。

わたしが行ったのは始まった翌日、10月18日(日)の午後からでしたが、仮金堂は券売所が少し並んでいた程度で入場には並びませんでした。さすがに中は混雑していて静かにご対面、とはいかなったけれども、それなりにゆっくりとみることができました。
お堂に入った瞬間、強いお香の香りに包まれて、一気に気分が日常と切り離されます。お堂全体の祈りの気配を感じつつ見る八部衆には格別の存在感がありました。
阿修羅は当然のようにご本尊の釈迦如来像のまんまえに。胸から下がなくなっている五部浄像はどうなっているのかなーと思いながら行きましたが(あれのお顔が好きなので)、ちゃんとありました。

今回の特別公開は仮金堂と北円堂がセットになっており、北円堂はお堂が狭い分人の流れが悪くなり、長蛇の列になっていました(一時間待ち)。ちなみに、券売所は北円堂はいつ行ってもすぐに買える感じだったので、券はこちらで買ってから仮金堂に行くのがよいかと。日によって状況がどう変わるかはわかりませんが・・・。

夕方になるにつれて混雑が緩和するのを期待して、予定には入れていなかったけど、東金堂と国宝館にも足を延ばしました。東金堂と国宝館は常時公開されていますが、特別公開のチケットがあると団体料金で入れました。

結局、北円堂の列はまったく短くなっていなかったけれど、しようがないので並んで待つこと約一時間。幸い、気候がよいうえに、並んでいる場所がほとんど木陰だったおかげもあり、ゆったりとした気持ちの良い時間をすごせたのでよしとします。
このお堂のご本尊が弥勒如来」となっており、珍しいなと思った次第でございます。成仏したらどの如来も見分けがつかん…(たぶん、細かい違いはあると思うけど)
中学生の頃から好きだった無着、世親像に久しぶりに対面。あいかわらずいいお姿で感慨ひとしお(特に無着像…)。昔は国宝館でいつでも見られたのに、いつのまにかお堂に安置されて常時公開でなくなって残念です。

北円堂を出た後は、列に並んでいる間に携帯でグルメ検索した吉野葛のお店「黒川本家」に行くために大仏殿前までてくてく。注文してから作るという葛餅は、ぷるっぷる、口に含むとまだ温くて、ねっとりとした食感がなんともいえず、美味でした。