東京国際映画祭

第18回東京国際映画祭が始まりましたのね。わたしは大学生の時にこれに参加するために東京に来たのが初めての「首都」体験だった(その頃はこっちに住むことになるとは思いもよらず…)。確か第2回映画祭だったかな。とにかく香港映画が好きで好きで好きでという頃で、二泊三日の間に香港映画ばかり映画祭の中で三本、その他に池袋の場末の名画座リバイバル上映をしていた「男たちの挽歌」を。映画祭は今と違って指定席ではなかったのでいい席を確保するために渋谷の街角でひたすら列に並んでいた。そこで初対面の人と話が盛り上がったりして楽しかった。
あの当時の東京についての自分の土地勘を思い起こすとほほえましい気分になる。行きたかった場所が渋谷と池袋。聞いたことがある地名が新宿、原宿。「東京駅から山手線で全部行ける」と思った覚えが。東京周遊フリーチケットみたいなのを買ったのでJRの駅だったら無料で乗り降りできたこともありひたすら山手線で移動していた。当時は「駅すぱあと」とかなかったし、地下鉄どころかJRの他の線もさっぱりわかりませんでしたよ。
今でもその頃のクセが抜けなくて、先日も東京駅経由で新宿に行くのに山手線に乗り換えるつもりで念のため検索したら中央線だった…。そういえば丸の中を突っ切っている線があったわ。東京に来て4年になるけど未だにこんなんです。
男たちの挽歌(英雄本色)」は好きな香港映画の中でも格別に好きで好きで好きで好きで! 初めて観たのが既にビデオ化された後だったのでどうしてもどうしてもスクリーンで観たくてずっと探していたらちょうど映画祭の期間に池袋で上映されているのを見つけた。一日目に大荷物を持ったまま映画館に入ってそのまま最終上映の一本前くらいまでずっとこもっていた。その日が最終日だったので掲示されていたポスターをもらえないかと思ったのだけれども「下さい」のひとことがどうしても言えずに映画館を出たほろ苦い思い出が…。小心者でした。
ちなみにわたしが好きだったのは当時大スターだった周潤發(チョウ・ユンファ)ではなくておっさんの狄龍(ティ・ロン)の方。あの作品、話の流れから言うとティ・ロンが第1の主役だと思うんですね、わたしは。で、ユンファとレスリーがいて、塊で言うなら三人が主役とも言えると思うけど。なのに当時の日本での扱いがユンファ第一だったのが悔しくて文句をたれていたのを思い出す。俳優の知名度から言えばしようがなかったんだけどさ。わたしはティ・ロンが好きだったので!
今観ると(一年位前にデジタル・リマスター版が出た時に買った)断然、これが映画デビューの張國榮レスリー・チャン)が輝いているな〜と思います。いつまでも若い人だったけど、この時は正真正銘、若い! お肌ツルツル! かわいい! でもちょっと男っぽい役だったりするあたりがまた。・・・彼について書いていると哀しくなってきた…。この人の歌が好きでした。
国際映画祭にはその後、一度京都でやった時と東京に来てからは毎年インド映画を観に行っていたけど、六本木に会場が移ってから上映が夜中になって行けなくなった。昼の上映もあるけどチケットが取れない。今年は遠いので行かないでしょう…。