姑獲鳥の夏

姑獲鳥の夏」が公開間近ですねぇ。著者本人も漫画で書くのをあきらめたというあの作品がどないなように映像になっているのでしょうか。
とりあえずキャストはイケるかな?と思ってるんだけど(ただし除く木場修*1)。他の人も細かいことを言うといろいろと出てくる*2けど、とりあえず芸達者な方ばかりだからそれはそれなりにどんな風になるのかが楽しみだったりするわけです。何よりも監督が実相寺昭雄さんなので出来に期待大。なんてったって「帝都物語」ですから!
帝都物語」はわたしが映画は監督のものだということを学んだ作品でした。つまり、あの作品の雰囲気にイカれて、恐ろしい加藤に惚れて、加藤がカムバックした第二弾「帝都大戦」を見て、あの!加藤が!ちゃんと出ているのに、なんでこんなにインパクトもムードも何もない作品が出来上がるのだ〜??とびっくりして、ああ、監督が違うからなのかぁと悟った。映画が監督のものであるなんてことはいまとなっては当たり前の認識だけど(というか、今は映画は監督で選んで観るよな)、わたしはこの作品で悟ったのだった。大学生の頃です。
そしてわたしが惚れた実相寺さんの資質は京極夏彦の世界を映像で表現するのにとっても合うゾ、と思うわけなのです。
ついでに原作について。当然のようにファンです。でも読み出したのは遅かったかな。「宴の支度」まで出ていた時点で読み始め、読む前は流行っているのは知っていたけど、あまりに分厚いし、ノベルズで二段組だし、見るだけで疲れてしまい、ぜんぜん読む気にならなかったんだけど、周りからぜひにと進められて、読み始めると止まらなくなってどんどん読んでいる途中で「宴の始末」が出た…ということはたしか夏休みに東京の友人の家に泊まりにいく時に旅の友として持っていったのが読み始めだった覚えがあるので(そんな重たい本をよく持ち歩くなぁと呆れられた記憶が)、1998年の夏からか。それから半年位ずーっと主に通勤時間で読み続けて「宴の始末」まで読み終えたときはものすごい脱力感と寂寥感に満たされた覚えがあります。半年間精神的には京極ワールドで暮らしていた感じだった。あれはなかなかに蠱惑的な体験でした。
京極さんの何が好きって、薀蓄が好きです。特に自己の内と外の感覚をつらつらと述べてあるのが。「姑獲鳥」の冒頭あたりですでにあまりに魅力的でぼ〜っとなった。あとはあたりまえに榎木津が好きです。シリーズの中では「鉄鼠の檻」が好き、だったという覚えが。実はもはやどれも話がどんなだったか全く記憶になかったりして。せめて「姑獲鳥」は映画を見る前に読み直したいような面倒くさいような…。

*1:どうせお笑い方面なら山口智充さんの方がごつくて四角くていいと思う…

*2:榎木津はもっと色素が薄いほうが…など。