「鋤田正義サウンドアンドヴィジョン」 於東京都写真美術館

ついでに、同じ会場でやっている写真展に。「ラ・ワン」のことを調べて東京都写真美術館のサイトを検索していて見つけた。
鋤田正義という名前は全く知らなかったが、展示作品の写真にはとっても見覚えが。わたしは80年代の洋楽が青春のBGMの世代ですから・・・。
大ファンだったデヴィッド・シルヴィアンの写真もあったとさ。今見るとおばさんに見える…。

「ラ・ワン」 於東京都写真美術館

「ロボット」に続く、インド映画ロードショウ第二弾、シャー・ルク・カーン主演「ラ・ワン」を、やっと見てきた。
全体のおもしろさとしては、まぁ、こんなもんかーという感じで終わった・・・。
おもしろくないことは、ないんよ。VFXとかアクションとかインド映画もすごいところに来てるなーと感心したし、でも、なんだかデジャヴュでもあり、わたしがインド映画に求めるインド映画ならではのパワーにはいま少し欠けました。
とはいえ、シャールクの存在感にはあらためて、ひきつけられる。とくにゲームキャラクターとしてドドーンと画面に登場してきたシーンの、ひと目で人間ではないものがそこに現れたと思わせる感じはさすが。
振り返れば、シャールクのおかげで長い時間をなんとか見られていたともいえるかな…。

「ロボット 完全版 (タミル語バージョン)」於渋谷TOEI

東京国際映画祭でチケットを取り損ねましたインド映画、よもや全国でロードショウ公開されるとは! 
公開前に雑誌で試写会の案内を見たときから楽しみに! しかし、日本での上映にあたって50分程度カットされて、そのほとんどがダンスシーンと聞いてガッカリしていたら、渋谷で完全版が限定公開されるとのことで、そりゃ、そっちに行くでしょう、というわけで、6/1まで待って、渋谷TOEIへ(こんなときは東京在住でよかったと、しみじみ)。
とっても久しぶり、映画館でのマッサラー映画! とはいえ、そのマサラな部分(ダンスやアクション)は、我を忘れて口ぱっかーんな抜け感には至らなかったけれども(インド映画のパワーの水準は保っているので、それなりに楽しんだけど)インド映画としては手抜きのない視覚効果が展開されて、ハリウッド映画か、と思うような画面の中で、しかし随所にインド的な考えに貫かれた言葉や行動がちりばめられているのが、ファンとしてはニヤリだったり。
そんな感じで、ラストシーンまで、わりと冷静に楽しんでいたのですが、最後の30分くらいで、突如、感情のふたがパカッと開いたと体感した瞬間が(この感じは久しぶりー。インド映画ではよくあるカタルシスですが)。バカバカしいほど陳腐な展開なのに、ここだ、というところで感情がダーッとあふれる。思考(頭の働き)を超えて、感情そのものが現れて流れる(身体知ってことなんでしょうかねぇ・・・)。気持ちがいいのです。
全編通してつっこみどころ満載、展開もムチャクチャだけれども、見てくれの破天荒に惑わされてはイケナイ。扱う主題は深ーいのであります(これもインド映画にはよくある状態)。
ラストでロボットが自分を分解しながら語るのは、ロボットと人間の関係に仮託した神と人間の話で、そこでインド人の言うことは「私(とは創られたもの)のミスだ。あなた(とは創ったもの)のせいではない」
人が不幸になるのは神のせいではなく、その人(の間違い)のせいだと「断言」して、神を敬い全てを受け入れる。神は絶対であるが、しかし人にも自由意志がある。そして全てを何のせいにすることもなく「自分」が受け入れる。世界はそのように在る。わたしもまた、このように在る・・・。長年インド映画に感動してきた理由が、この作品にもまた、ありました。
細かいところも、根本的な流れにかかわるディテールはきちんと繋がっていて、わかりやすくて面白かった。アシモフロボット三原則の扱いとか、裸の少女の救出のあたりなど。
あとザッツインド映画!とひとり拍手を送った細かいところは、ラストで、敵対していた悪人の博士の写真が壁に飾られており、途中で死んだので写真だけど、生きていたらきっとニコニコ笑って輪の中に居たんだろうなーと、いつもの最後にはみんないい人が、ここでもちゃんと(写真を使ってまで)実現していることに気付いてほのぼのしたのであった。

「大乗起信論」

朝日カルチャーセンターで定期的に通い始めた講座の一つ。講師は駒澤大学の吉村誠先生。
正法眼蔵」を読み始めて、大乗仏教について知る必要を切実に感じていたところ、ちょうど一月から新開講の講座として見つけ、パンフレットの紹介文に心惹かれて受講することに。
いわく「仏典というと漢文で書かれた難しいものを想像しますが、先生の講座は分かりやすいと評判です」 フムフム。
「読み方を訓練して、ゆっくり言葉を追っていくと(仏典を)自分で読めるようになります。人類の叡智と一対一で向き合えるなんて、すばらしいことだと思いませんか。「大乗起信論」という本は一巻と言う短いものですが、読むと仏教のすべてが分かったような気になるというすごい仏典です。もちろん「分かったような気になる」ですよ(笑)。でもそれでもたいへんなことです」
というわけで。
実際に受講してみると(今日で三回目)、説明文に偽りなく、イメージ豊かで興味を掻き立てられる説明が流れるように続き、要所要所でハッと気付かされる楽しさを、毎回味わっている。今日も「如来蔵」の解説を図説してくださったときに、これまで自分の中でモヤモヤしていたものがパッと焦点を結んで大興奮!の瞬間があった。
この先もとても楽しみーなのであった。

「正法眼蔵」読書会

昨年夏にひょんなご縁がありまして、道元禅師の「正法眼蔵」を原文で読む読書会に参加している。現在メンバーは三人でだいたい月一回のペースで継続中。
なんとなくの直感で冒頭の「弁道話」を抜かして「現成公案」から始めて現在は「仏性」の途中。
なんだかよくわからないうちに参加することになって、古文の素養もないし、仏教用語はテンコ盛りだし、もともとの内容が難解だから現代語訳を参照しようにも読んでもさっぱりワケわからん状態だし、実のところ途方に暮れながら始めたけれど、それこそ漢字の意味から一時一時確認しながら読んでいるうちに、とりあえず「読む」ことはできるようになってきた…。
毎回午後一時からだいたい五時くらいまで、時に半分以上雑談余談で終わったりするけど、それがまた楽しくタメになるのであった。

「青島広志のクラシック超入門」於朝日カルチャーセンター新宿

昨年の秋に新宿の朝日カルチャーセンターの会員になって、時々目に付いた講座に参加している。
本日は、青島広志先生の音楽講座。
青島先生は昔「たけしの誰でもピカソ」でお見かけしてからファンだったけど、そんなに熱心に追いかけていたわけではなかったので、今回、初対面。
ご存知の方はご存知の通りのおねえ口調の弾丸トークが楽しいわけですが、繰り出される内容が世界を表現するということについての核心に関することであるところが気に入ってファンになった。
開始10分前ぐらいに会場に着いたところ、すでに先生の姿が。朝カルの職員の人と何やら恋愛トーク中…。
定刻になり、始まってすぐに「男が好きってテレビなんかで言われていますが、女性と関係を持ったことはあります」……。センセー!! わたしは下ネタいくらでも来いですが、会場には少々引いている人もいたような…。
この講座は、毎回楽器をひとつ選んで、生演奏を聞きながら、先生と演奏者とのやり取りの中で、楽器についてや曲の解説が行われる。今回はバイオリンで、奏者は高畠浩さんという方だった。
高畠さんいわく200年前にフランスで作られた「一億はしません」(でもウン千万)のバイオリンを使って、楽器の細かい解説から。
バイオリニストの中には自分の楽器をローンで買って子どもの代まで払い続ける人も居るとかそんな話も交えつつ、ひとつひとつの部位の名前や、音の出方などを教えてもらう。
先生の質問が的確でとてもわかり易い。テンポがよくて飽きないが、早口についていくのがちょっとタイヘン…。高畠さんもつられて(?)早口。
その後先生のピアノ伴奏で五曲演奏。演者の身近に居られるので圧倒的。もちろん、曲の前後にトークもあり。
思っていたよりも演奏が多くて、ちょっとしたリサイタルに行った気分。久しぶりに「ツィゴイネルワイゼン」を聞いて大満足。中学生の頃、好きだったなー。
講義の後、物販コーナーに居ると、横から先生が「わたしのお勧めはコレ」とか解説してくださいます。音楽理論の本に興味を惹かれたので一冊購入。せっかくなのでサインをいただきました。先生の直筆イラスト入り。
来月はフルート。出来れば行きたいな。

「ボリウッド 究極のラブストーリー」

今年も東京国際映画祭に行ってきた。
いろいろとおもしろそうな作品があったけれど、あれこれ行くのは大変なので例年通りインド映画に絞って、出遅れた去年とは違い、ちゃんとプレオーダーから参加。
しかーし、ひとつははずれた…。「ラジニカーントのロボット(仮)」。
TIFFのサイトで、上映作品の一覧のところにお気に入りを入れられる機能があって、その登録人数が、当初からハンパなく多いなーと気にはなっていたんだけども、案の定、申し込み人数も多かったんだろうな…。
かーーーー!! 悔しい!! ここのところ映画祭でも上映がほとんどなかった、どマサラな作品みたいなのにーー。
気を取り直して。
プレオーダーで手に入った「ボリウッド」の方は、ヒンディー語映画のシーンをたくさんつないだ間に、ボリウッド製作関係者やムンバイの人々のインタビューがちょこちょこ入るというだけの内容で、いちおうドキュメンタリーということになっているけれども、それほど目新しい切り口はなく、その意味での感慨はなにもなかった。
そうは言っても、見る前からそれほど期待していたわけでもなく、名場面集だから楽しかろうなーぐらいの気楽な気分にふさわしく、かるーく楽しんだのはよかったけれども、よけいにはずれた「ロボット(仮)」の方を見たくなったよ!!
次から次へと出てくる映画のシーン、けっこう見ていない作品が多く(あたりまえといえばあたりまえだけど、そこそこはたくさん見ているつもりだったので)こういうのをもっともっと日本で公開してくれーと心内心叫んでいたのであった…。